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「グロス価格(総額)」にも着目を。

「グロス価格(総額)」にも着目を。

さて、あと一つ。

購入価格を、実勢価格の「単価」で適正、と納得したら、また実勢価格そのもの、つまり「グロス価格(総額)」にもう一度着目して頂きたい。

よくあるファミリー向けのマンションの専有面積を、70㎡~80㎡前後とすると、100㎡なら、その“よくある値“比では大凡1.5倍の大きさです。

この場合「単価」では適正の範囲でも、「グロス価格」では、おそらく周辺他物件の偏差値を大きく超えることに。

その超えた分が、稀少性のある物件、と評価されるか、突飛な物件、と評価されるかで、前号の価格下落の予想、つまり、「売り出し価格の?%引き」が変わる可能性があります。

勿論、この逆もあり得て、準郊外で面積の小さい物件は買い手がいないことも。

要するに、将来売却可能=価格下落が経年なりの範囲に収まるマンションを購入したいなら、原則として”よくある値”=70㎡台の3LDKを選ぶに越したことはない、という観点も大事。

理由は購入層が多いから、マッチングもしやすく、売りやすい、、、から場所さえ間違わなければ価値水準は堅調に推移する、価格下落は想定の範囲におさまるでしょう、というです。

加えて「グロス価格(総額)」に着目して頂きたい理由をもう一つ。

同じ場所で、実勢価格の「単価」で適正であるにもかかわらず、実勢価格そのもの=「グロス価格(総額)」が大きく周辺相場を上回っている状態というのは、逆算すると当該マンションのお部屋の専有面積が大きい、ということであるはずです。(当たり前ですが。)

マンションを購入した後の支払総額は、税金の支払いをのぞけば、住宅ローンの返済額に「管理費+修繕積立金」が必要になります。

この管理費(や修繕積立金)、管理対象となる物件の規模、グレード、そして享受できるサービスに応じて変わってきます。

管理費(や修繕積立金)は、一般的に都心程高額になりがちですが、それは都心のマンションは土地代が高いから、という理屈ではありません。

土地代の高い都心では、高い価格で購入してもらえる所謂富裕層の方々の生活水準に併せて、先に挙げた物件のグレード、享受できるサービスレベルが必然的に高くなるので、結果管理費(や修繕積立金)が高額になる、という理屈が正解です。

そして、同じマンションの管理費、修繕積立金は、専有面積に応じて案分され、増減します。

つまり、同じマンションで広いお部屋に住んでいる方はたくさん管理費、修繕を支払う必要があるのです。

先の例で、1.5倍の大きさのマンションを購入する人は、購入代金だけでなく、月々の費用負担も1.5倍。

手持ち資金があって、自己資金分が多い分ローン返済分を少なくできても、ランニングコストが”よくある値”よりも1.5倍かさむので購入見送り、という判断も当然あるわけです。

ちなみに、管理費の目安ですが、マンションの坪単価の10,000分の1程度が、㎡単価だと考えておいてください。

(昨今の労働市場(管理会社の人件費諸経費の負担増)から、やや値上がり基調になるとは思いますが。)

例えば、8,000万円、20坪(≒66㎡)のマンションなら、坪単価は400万円。

つまり単価400円×66㎡=2万6,400円ほどの管理費が目安ということになります。

そうなると、例えばこのマンションの管理費が、5万円ということなら、5万円-2万6,400円=2万,3,600円×居住検討カ月分は安くなければ買わない、次のお客さんには売れない、と考えるべきです。

個人のお客様は、月の支払額=住宅ローンの返済額に「管理費+修繕積立金」で購入物件を検討している、財布は1つだから、です。

購入するマンションが新築でも、中古でも、毎月の支払額で物件比較することをお勧めしますが、故に、実勢価格そのもの、つまり「グロス価格(総額)」=専有面積にも気を配りましょう、というお話でした。

(株)アズワン_小林