今、マンションを取得するには、新築も、中古も、「割高」な時期なのか否か。
こちらが、国土交通省の不動産価格指数です。
2010年を1とした推移、そう、マンションの価格は“上がって”、“上がり続けて”います
要因から考えると、
・公示地価の上昇⇒2021年3月の公示地価は、8年ぶりに首都圏の地価が下落しましたが。
・建築費の高騰⇒東京オリンピック、コロナ、国際情勢不安等々合わせ技の、人材不足&建築材料値上。
・金融緩和政策の長期継続⇒2013年1月以来の日本銀行の金融緩和政策(住宅ローン低金利)は継続。
・富裕層による高級マンションの需要増⇒都市部の大手デベロッパーによる富裕層向けブランドマンションの開発が拍車。
などなど。
すると、優勝劣敗はあるにせよ、今しばらくは、少なくとも皆さんが欲しがるマンション(主に都心部、郊外のランドマーク物件等)の価格は高位推移にあるんじゃないかと思います。
ただ、私は、価格が「高い」ということと、「割高」であるか、ということは、ちゃんと分けて考えたほうがいいと思うんです。
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わり‐だか【割高】
[名・形動]
品質や分量に比して高価なこと。また、そのさま。
「―な(の)家賃」「ばらで買うと―になる」
⇔割安。
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つまり「割高」とは。“適正価格”があるからこその概念。
割高と言うには、ではその“適正価格”はおいくらだとお考えですか?という問いに対して答えを持っていないといけないわけです。
簡単に言えば、相対評価=何と、どのように比べて、どのくらい高い、とおもいますか?ということです。
で、私が考えるマンションの適正価格。
それが、不動産投資目的のマンションではなく、実際に自分で居住するためのものとして考えるのであれば、「実際に成約した”中古マンション”の価格(取引値)」だと思います。
不動産ポータルサイトに並んでいる価格は、売り出し(募集)価格で、一般の方々が実際に”売れた”=成約した価格はつかめないと思いますが、目安としては概ね、売り出し価格の10%引き程度で見込んでおけばいいと思います。
新築マンションでも、中古マンションでも、気になるマンションの購入を検討する際には、
- 同じ駅で
- 同じ間取り(広さは多少異なってもいい、後述する面積当たりの価格(坪単価や㎡単価)で補正できるので。)
の中古マンション事例をチェックしてみてください。
売り出し価格×90%=「実勢価格」とでも呼びましょうか。
私はこの「実勢価格」を、前述した概ねの”適正価格”と定めて、自身が購入を検討するマンションの価格と比較してみることをお勧めしています。
そして「実勢価格」を面積(坪or㎡)で割った価格の単価を大きく逸脱したり、また「実勢価格」そのもの(いわゆるグロス価格(総額))の最高値を大きく超えて取引することは、難しいと考えておく。
例えば、今回、私の取引先のお客様から相談を受けた新築マンションは、概ね1億円でした。
私がその場でスマホで調べて、同じ駅での中古マンションの売り出し価格の上限が9,000万円。
よって「実勢価格」は、約8,000万円前後。
この駅圏で1億円で中古マンションを買う人はいない、ということだと考えます。
よって、私はお客様に伝えました。
「検討の新築マンションは、将来、単純に2,000万円分の価格下落が起こる可能性は、必然です。」
「ちなみにどれぐらいお住いになりますか?」
「実際に住む期間によって、同期間で同場所で賃借したらいくら支払うか?その期間の価値減産分(減価償却分)等々考えて、この2,000万円分の価値下落を許容できるなら「適正」、そこまでの下落は受け入れられないというなら、「割高」かもしれないですね。」
お客様はなるほど、と納得いただいたようです。(ほっ)
(再度言っておきますが、どうしてもその物件が気に入った!という、個別性&主観的な評価、理由があるのであれば、それはそれですから、とも念押しして。)
あとは、これ㎡(専有面積)が大きいので、管理費だけチェックしておきましょうね。
と、付け加えましたが、続きは次号。
(株)アズワン_小林