先日、往訪した取引先の役員さんから、現在で購入を検討されているという、ご自宅利用のマンションのご相談を賜りました。
取引先といっても同業、つまり建築・不動産業界ではない方でして。
「・・・ということで、これ気に入っているんだけど、「借地権マンション」なんだよね。どう思う?」
通常のマンションは土地の所有権が付いています。
それに対して、“土地を借りる”形になるのが借地権マンション。
その評価は人によって分かれます。
で、私が何とお答えしたか?
どうしてもその物件が気に入った!という、個別性&主観的な評価、理由があるのであれば、それはそれとして、と前置きし。
個人的には、都心は「買い」で、郊外は「NG」、自分なら絶対買いません、とお答えしました。
何故か?
そもそも「借地権マンション」というものは、その土地に等しい価値の代替地がない、つまり稀少性が極めて高い(ので地主が絶対に手放さない)という前提?背景?があるはず、と私は考えます。
そして、都心では、その稀少性=“稀少立地”の借地権(物件)は、所有権(物件)と同じ相場で取引されてることが少なくありません。
ややお値ごろな都心の借地権マンションで、値上がり益(キャピタルゲイン)をうまく享受しているかた、いますよね。
一方、郊外や地方の一般的=”非稀少”な土地は、その土地に等しい価値、いやもっと価値のある代替地はそこそこ存在する(にもかかわらず何かほかの理由で地主が手放さない)はずで、本来は借地にしてもらってまで手に入れる意味はありません。
なので、そうした物件は、仮に新築された瞬間はお値ごろでも、その後は誰も買おうとしないので、売れなくなり、価格も大幅に下がることになります。
私が、借地権マンションは都心は「買い」でも、郊外はNG、と考える理由がここにあります。
繰り返しになりますが、対象となる物件を取得したい(しなくてはならない)、個別性&主観的な評価、理由があるのであれば、それはそれ、ですからね。
極端なことを言えば、我が国においては、かの“東京都千代田区千代田1番1号”をのぞいて、すべての土地の代替地は理論上は存在し、その発生確率が低ければ低いほど、つまり稀少性が高ければ高いほど、それは一般的には立地条件が都心であれば都心であるほど、評価に足る借地権マンションだ、と考えるのが妥当だと思います。
で、同じ方から、引き続き、
「今、マンション、新築も中古も割高なんでしょ?」
と。
このご質問に対する私の答えは、続きは、次号で。
(株)アズワン_小林