さて「建築条件付き土地」の広告表示の一例を紹介します。
中段以降の※印の注釈を見てください。
前回の記事での開設の通り、
・三ヶ月以内にこの会社と建物工事の契約をしてください。
・出来ない場合は話はご破算で(お金を返しま)す。
・そして「プランはお客様が自由に決定できます」
と明記されています。
「参考プランの建物を、そのまま建てなくてはならない」は、間違いなんです。
ただし、です。
ここに建築条件付き土地」を検討するにあたって、土地を探している人が注意しなくてはいけない点が潜んでいます。
“自由にプランを決められる”とはいうものの、たとえば、あなたが
「*ノ内豊さんのCMで見た、某社みたいな梁なし高天井プランにしたい!」
とか
「菅野*穂さんのCMでみた、震度*に**回耐える某社と同じ耐震の建物にしたい!」
とか
と言ってみても、それが「ここの施工業者で建てていただきます」と指定された会社が対応できるかどうか。
「だから壁式の2×4とか2×6工法の建物がいい!」とあなたが指定された工務店に申し入れても、「すいません、ウチは伝統的な日本家屋の建て方である在来工法でしか建てられないんです。」となれば、、、
そう、それは事実上の「プランの制約」を受けることになりますよね。
それでなくとも、ただでさえ、ひとつの家を建てるために決めなきゃいけないことは沢山。
工法だけではなく、そもそもの順法の範囲で建物規模や配棟を定め、実際の居住空間=間取りを検討し、建物のあらかたの仕様や設備を見繕い、その金額を決め、何千万となる買い物をする、、、
つまり指定された三か月間の間に、これらを施工施工会社との間で決めて、その上「建築工事請負契約」を結ぶことは、なかなか難易度の高い工程。
そうそう、奥様のご意見とも挟まれがち、ですしね。笑
それに比して参考プランは、その土地の建築基準法上の制約(建ぺい率や容積率、斜線制限など)に基づいて、おおよその間取りや仕様・設備もマルっとプランニングされていて、費用の目安も提示されている。
であれば、「参考プランを基本に考えようか」となるのは、一般消費者としては必然といえば必然。
正直、売主側もそのほうがめんどくさくないので、斯様に導いてきますしね。
結果として、「建築条件付き土地」においては、参考プランに近い住宅を建てることが多く、故に今回の私の友人のような認識が蔓延していくのは無理のないこと。
「建築条件付き土地」の取引が、いわゆる建売住宅に準(なぞら)えて、“売り建て住宅“などと言われるのはこのためです。
次回も引き続き「建築条件付き土地」の注意点や、メリデリ(merit&demerit)を紹介しようと思います。
(株)アズワン_小林