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「組織」と「群れ」

「組織」と「群れ」

 

「組織」と、「群れ」。

この二つの言葉を皆さんはどのように評価しますか?

一般的に、「組織」は、役割分担が明確な高度な集団で、「群れ」は、ただ集まっているだけのイメージではないでしょうか。

しかし、今日(こんにち)のビジネスの最前線において、その常識は180度覆ります。

 

一般的な「組織」とは、明確な目標があり、役割分担がなされ、ルールによって統制された集団です。

私たちは幼い頃から、「規律ある組織こそが素晴らしい」と教え込まれてきました。

分業し、マニュアルを作り、ピラミッド型の構造を作る。

部活の時も、サラリーマン時代も、これが「集団の進化」の最適解だと信じて疑わなかった。

  

しかし今、「野良」として生き抜く私は、私の会社は、そんな「組織」を目指すわけにはいかない。

分業の結果、「それは私の仕事ではありません」という言葉が生まれやすい、「組織」。

上司の承認や決裁を待つ間に、チャンスは逃げていく、「組織」。

目的よりも、ミッションよりも、「ルールを守ること」が優先される、「組織」。

 

皆さんの周りにもあるでしょう。

立派な理念を掲げながら、会議ばかりで何も決まらない、重たい「組織」が。

個人の思考を止めるための装置、「組織」という名の美しき停滞なんて、私はもうまっぴらごめんなんです。

 

対して「群れ」はどうでしょう。

野生のイワシや、渡り鳥をイメージしてください。

勿論、彼らには決裁もなければ、マニュアルもありません。

しかし、一頭が敵を察知して動けば、コンマ数秒で「群れ」が連鎖し、一糸乱れぬ動きで危機を回避します。

そしてサバンナのリカオンや、大海原のシャチの「群れ」。

彼らが獲物を見つけ、一頭が加速し襲い掛かるとき、呼応した「群れ」全体が爆発的な連鎖を起こします。

右から追い詰める者がいれば、間髪入れずに左から回り込み、逃げ道を塞ぐ者が現れる。

「今、この瞬間に何をすべきか」を全員が細胞レベルで理解し、阿吽の呼吸で同時に牙を剥く。

 

「群れ」の本質は、この圧倒的な本能の相互作用にあります。

指示がなければ動けないという硬直性はなく、「誰かがやった良い動き」を瞬時に全員がコピーする。

明文化されたルールはなくとも、その場の「熱量」や「危機感」で動く。

会議を重ね、役割を確認し合っている「組織」に、このスピード感は一生再現できません。

 

かつて、同じものを大量に作る工業化社会では「組織」が、その優秀な歯車になることは、一つの勝ち筋だったと思います。

しかし、正解がない現代において、またAIやロボットが優秀な歯車となって機能する今、歯車で組み合った「組織」も、「組織」の歯車でしかない人間も、ただのお荷物です。

必要なのは、メンバー全員が触角を研ぎ澄ませ、チャンスという名の獲物を見つけたら一気に襲いかかり、リスクを察知したら一瞬で散る。

この「管理を超越した超知性集団」の機動力こそが、現代の生存戦略。

 

隣の奴が突如動き出したとき、「動く前になぜ事前に説明しないのか?」と問い詰めるのが、規則やルールで人を繋く「組織」。

「あいつが動いたなら理由があるはずだ」と直感で動けるのが、本能の共有と、信頼というインフラで繋がっている「群れ」。

故に、自発的に、俊敏に動けない人間は「群れ」には無用です。

そんな奴は、旧来型の組織で、歯車となって錆びついていけばいい。

 

そして、ビジネスにおいて「「群れ」の直感の連鎖」を起こすには、条件があります。

一、個々が極めて高い専門性を持つプロフェッショナルであること。

一、「この集団で勝つ」という共通の生存本能を共有していること。

これが絶対条件です。

  

長くなりましたね。

結論、「群れ」であることは、必ずしも「組織」に劣後しません。

「群れ」のリーダーの仕事は、ピラミッドを構築することではありません。

メンバー全員の「野生」=感覚を呼び起こし、研ぎ、共有することにあります。

無駄な階層を取り払い、情報の伝達スピードを物理的に上げる。

整った「組織」を目指すのをやめ、全員が研ぎ澄まされた感覚を持つ野生の一頭=プロフェッショナルとなって、全員の熱量で繋がったとき、あなたのチームは、「群れ」となり、見たこともないスピードで進化し始めます。

 

長(おさ)として、私の会社はそういう「群れ」を目指しています。

皆心に刻み、決して忘れないように。

 

株式会社アズワン_小林大祐