働きかた。
この点で、日本と海外諸国で大きな違いがあるのは、日本企業と外国企業では雇用の仕組み。
そう、よく言われる、「ジョブ型」であるか「メンバーシップ型」であるか、の違いです。
ジョブ型では、職務説明書(ジョブ・ディスクリプション)で仕事の範囲を明確にした後に、その職務を担当する人材を決めていく。
一方、メンバーシップ型では、組織の構成員がいることを前提に仕事の役割分担を決める。
ジョブ型では、個人の能力や意欲よりも、最初に決めた職務の範囲が重視されるのに対し、メンバーシップ型では、組織の構成員の能力や持ち味によって、役割分担の境界が変わる。
「仕事に人がつく」ジョブ型、「人に仕事がつく」メンバーシップ型といわれることもあります。
現在、多くの日本企業の働きかたはメンバーシップ型、であるといわれています。
確かに、長期雇用の日本企業はこれまでメンバーシップ型の人材マネジメントが主流だったが、グローバル化や技術革新にともない、ジョブ型の検討が進んでいます。
2020年1月には経団連が、日本的雇用を見直しジョブ型雇用を広げる必要性を表明してもいます。
しかし、その普及にはまだ相応の時間がかかるでしょう。
そして日本人の組織からの「離脱(Exit)」=転職、について捉えるときに、日本がメンバーシップ型であることを無視することはできません。
多くの日本企業はメンバーシップ型であり、一度メンバーシップになると、そこから抜けることはなかなかない。しない。
できない、とまではいわないですけど、特に昭和、平成前半までは、少なくとも“よしとされない”風潮はあったのは事実です。
だからこそ、の前編記事のこのデータなんでしょうね。
前編記事の考察提起。日本人は仕事に不満が強い傾向にある。
でも「離脱(Exit)」=転職はせずに、会社に残り続ける。
働く土壌がメンバーシップ型だから。
では、その分もう一つのオプション、「発言(Voice)」がガンガンあがっているか。
正直、多くの日本企業では、ガンガン発言!となっている職場はまだまだ少ないのでは?
「離脱(Exit)」がない、「発言(Voice)」がない、だからそこには問題はない、、、ん?なんかおかしいような?笑
組織に属する個人が不満を解消する方法は、「発言(Voice)」し相手に改善を求めるか、そこから「離脱(Exit)」して満足のいく環境に移るか、この二択です、というハーシュマンさんのお話を掘り下げて考えてみました。
結局、「発言(Voice)」と「離脱(Exit)」、きっとこの二択は独立しているもののではなく、両輪の関係なのでしょう。
辞めても、次がある個人は、離脱でき、そして、今の場所できちんと声をあげられるひとだからです。
そういう意味では、「無言の離脱(Exit)」が続くとき、個人も組織も病魔に侵されて始めているサインなのかもしれませんね。
(株)アズワン_小林