河に栖(す)んで力あるものは、陸に登って悩む。
明菴栄西(臨済宗開祖)
大谷翔平さんや、藤井聡太と自分の「差」を比べて悩むことなどありません。
でも、彼やあいつ、あれやあそこ、と、その「差」が思考の範囲内であったとたんに、羨望と嫉妬の種火がくすぶります。
これは、自分が持っていない能力(もの)を羨むものではない、という教えだと思います。
だれの心の裡(うち)にもある、人間の弱点に気づかされる言葉。
自分の外ではなく、自分の裡(うち)を見つめること。
ないものは、ない。
かわりに、あるものも、ある。
「桃花紅李花白(りかはしろく とうかはくれないなり)」
桃の花は紅く、李の花は白い。
どちらかが優れているのではない。
そう、それぞれにいい。
株式会社アズワン_小林大祐