(株)リクルートの住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターが、「分譲マンションの共助力」に関する調査・分析結果を発表しました。
2000年以降に首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県)の新築マンションを契約し、2004~2020年の間に入居、現在も同じマンションに住んでいる人を対象に実施した調査レポートです。(回答数は5,558件。)
「分譲マンションの共助力」とは、
・「今のマンションの居住者とは、いざというときに助け合える」という内容に対し、5段階評価(とてもそう思う・ややそう思う・あまりそう思わない・まったくそう思わない・分からない)で回答を聴取。
・「とてもそう思う・ややそう思う」と回答した割合の合計
を「分譲マンションの共助力」指標として集計、分析したものです。
全体の「共助力」は低下傾向で、初回の2016年調査から7.8ポイント減の32.3%。
コロナ禍前の前回調査(2020年)と比較すると、「居住者向けのイベントに積極的に参加している」の割合は27.0%(前回調査比7.0ポイント減)、「居住者同士の交流を楽しんでいる」の割合は26.0%(同3.9ポイント減)と低下しています。
総戸数別では、300戸以上の大規模物件の共助力が高く、39.8%が「とてもそう思う・ややそう思う」と回答。
ライフステージ別では子育て世帯が38.8%、入居年別では長期入居者ほど共助力が高く、入居11年目以上では37.8%という結果に。
また世帯年収別では、年収が高くなるほど共助力が高まる傾向も見られています。
理事会の特徴別に共助力をみると、「理事会は居住者の交流機会を積極的につくっている」と回答した人の共助力は56.0%と高く、「思わない・分からない」人とは30ポイント以上の差があります。
管理会社の特徴別では、管理会社が「居住者の交流を積極的に支援している」マンションは共助力が高く、「とてもそう思う・ややそう思う」が49.5%という結果に。
そのほか、管理会社に「緊急時や非常時に頼りになる」「居住者のニーズをよく考え、サービスを提供している」といった特徴があるマンションほど共助力が高いことが分かってます。
結果は、コロナ禍もあり、、、まぁそうでしょうね、という所感です。
高容積に多種多世帯多人数が集積して生活する大型マンション住人の皆さんにとって、いざという時の共助体制の問題はやっぱり深刻ですよね。
とはいえ、私個人的には、共助体制の強化を語るときに、普段から隣人との交流やお付き合いを、、、といった従来型価値を唱える雰囲気は、いささか反対。
共助力を高めるためには、自助を含めた、必要備品の備蓄の徹底や、いざとなった時のルール(作り+運用+訓練)といったハードやシステム制御づくりからアプローチすべき、というのが持論です。
株式会社アズワン_小林