三菱地所(株)が、キャンプ施設開発事業の初弾となる「キャンプ・アンド・キャビンズ山中湖」(山梨県南都留郡)を開業しました。
同社のキャンプ施設開発事業は、長期経営計画に掲げたエンドユーザーを対象とした「サービス・コンテンツ提供領域」への進出の一環で、2019年から事業化を模索していたものです。
「キャンプ・アンド・キャビンズ山中湖」は、東富士五湖道路「山中湖」インターチェンジから車で10分に立地。
中央日本土地建物(株)が保有する山林約3万坪を三菱地所(株)が賃借、同社が企画・開発し、キャンプ場運営会社の(株)池上商事が運営します。
実は、同事業を担当する都市開発部統括者が、池上商事が運営する那須のキャンプ場の常連で、その雰囲気を気に入ってたことから、同社に協業を打診、今回の開発用地やコンセプトを決め、2021年11月に事業化が決定した、という経緯。
コロナ禍を受けキャンプ場市場は拡大しているものの、ユーザーニーズに合った施設・サービスの開発や、新規施設用地の探索などに運営会社が過大なリソースを割けないという実態があるそうです。
そこで、今回三菱地所がキャンプ場への投資、企画・開発を担い、キャンプ場運営会社と協業して施設を展開していくスキームを組み立てました。
「キャンプ・アンド・キャビンズ山中湖」は、従来のキャンプ場では味わえない体験や雰囲気のある「コンセプト型キャンプ場」として、ハード・ソフトを作り込んでいます。
施設全体は、アメリカナイズな雰囲気で統一し、テントサイト105区画、キャビン・コテージ49画を用意。
カフェ、飲食店、各種用具レンタル、売店、大浴場、シャワールーム、コインランドリー、キッチンなどの付帯施設に加え、子供向けの遊具やアクティビティイベントも多数用意されています。
テントサイトは、大型テントにも対応する広さ100~300平方メートルを確保、東屋付き、トイレ・シンク付きなどの施設もあります。
キャビンも、複数家族用や二階建て、ドッグラン付き、ガレージハウス風などバリエーションが豊富。
価格帯は、テントサイトは、1区画1泊5,000円~、キャビンは1区画1泊1万6,000円~で、開業初日は、500人が利用したそうです。
今後は近隣の三菱地所運営の各施設とも連携しながら、利用者数を増やし、数年間で年間利用者数10万人を目指す計画。
同施設で運営ノウハウを積みながら、今後の事業化と展開をを検討していくとのことです。
近年はキャンプブームにより需要が拡大していますが、その反面競合も増えており、差別化やサービス向上などの経営努力が必要。
そもそも、キャンプ場経営は、季節や天候に大きく左右されるビジネス、旅館業や飲食業などの許可・資格、、、ひっくるめてノウハウも必要ですから、大手さんならではの経営ノウハウの発揮に期待ですね。
株式会社アズワン_小林