大学卒業後、20余年勤めた会社を辞めた時。
サラリーマンから、経営者の道に進んだ時。
ほどなく社の役員として、どうしても許せない社長と袂を別けた時。
起業を決意した、あの日。
会社の登記を手にした、あの日。
代表取締役の名刺を初めて交換した、あの日。
最初のお客様から契約を頂いた日。
第一期目の決算。
初めての納税。
そして初めて社員を雇い、初めて社員から「社長」と呼ばれたとき。
自分以外の誰かに、初めて給与を振り込んだ瞬間。
どれもが、キュッと胸が締まり、スッと背骨が伸びた、忘れられない経験、鮮明に残る記憶です。
全ての瞬間にあったのは、有り体に言えば、決意。
強く、決意しようとした自分です。
と、思っていましたが、、、
今朝、それら全てが、まるでフリであったかのような経験を私はします。
それは、社のポストに届けられた郵便物。
開封、その瞬間。
やれるかどうかではなく、自分が「やらねばならぬ」ことを知る瞬間。
それは、生まれて初めて、決意を超え、使命感を持つに至った瞬間。
届いたのは、社員の家族の健康保険証。
大切な社員が、大切にしているひとたちの名前。
それは、これから私が大切にしなければならないひとたち。
そっか。
使命って、自分で探しあてるものじゃないんだ。
使命の方が、自分を探しているんだな。
使命感。
こいつをリアルに経験した、陽春の朝のお話でした。
