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“生意気”という付加価値

“生意気”という付加価値

 

異なる二つのタイプの部下がいます。

 

一人は、常に正解に、というよりも「それ正解」と言われることを優先する部下。

皆の前では、基本「自分なんて」「私ごときが」と謙遜。

上司や組織に従順。

 

逆にもう一人の部下は、先輩の指示に対しても是々非々で、時に反論上等。

故に正直、扱いづらい。

要するに生意気。

 

この二人、多くのケース(まともな組織)で選ばれるのは、実は”生意気な部下”。

 

生意気は大事。

生意気くらいで丁度いい。

特に若い時分は、絶対。

 

なぜ、生意気な部下が選ばれるのか?

私流の二つの視点。

 

一つは、生意気でないと、自分より少し大きなサイズの機会が任せることができないから。

知識も経験も乏しい若手が、自分の身の丈を少し超える機会≒仕事を任せてもらうためには、やっぱり、根拠のない自信でもいいので「俺やれますよ」と手を挙げる、それが出来る生意気さが求められるんです。

正解優先の従順クンは、同時にとにかく怒られないことを最優先とする傾向があり、そもそもその手は挙がらない。

基本的に、上司は部下よりも大きなサイズの仕事をしているはず、で、その上司の試合の打席に立たないんですから、選ばれようがないんですよね。

 

二つ目。

多くの場合、生意気な部下は、同時に憎めない。

つまり生意気、だけど可愛い気があるから。

おそらく、この可愛い気の源泉は、生意気な彼らがもつ、会社や組織、上司や先輩に対するリスペクトなんだろうと思います。 

生意気を目指す?ためには、たとえ会社や上司に対してでも、時としてしっかり噛みつかないといけない。

まともに噛みつくためには、単なるリスクを犯す勇気だけではなく、噛みつくロジック=「故に一言言わせて頂きます」の筋道が必要。

この筋道の背景には、根本的な会社や上司に対する理解、興味、期待、リスペクトが不可欠になります。

ここなく闇雲に噛みつきまくるってのはシンプルに無礼だし、普通に憎まれることになりますが。笑

つまり生意気な部下の源泉にある、この可愛い気は、同時に組織や先輩に対するロイヤリティである場合が多い、だから選ばれます。

生意気、その源泉の可愛い気、立派な付加価値なんですよね、まともな組織や先輩からしたら。

 

対して、常態化した従順さ、謙虚さ、その予防線となって連発される「そうですね」や「すいません」には要注意。

理解や謝罪ではなく、ただの思考停止です。

その場を収めるため、の「おっしゃるとおり」。

何も考えたくないから、の「すいません」。

こうやって従順さを全うする部下は、無理なペースで走らされたり、道中の様々な障害に悩まされたり、結果としてめちゃくちゃ怒られたりすることは回避できるのですが、同時にそれら本来自身が得るべき機会を失っていくので、結果往々にして、生意気な部下と比べて成長速度が段違いに遅くなってしまいます。

 

結論、扱いやすい部下より、生意気、、、だけどどこか憎めない、そんな部下、人材になる方が100倍難しいってことです。

 

もし自身が生意気な奴、て言われはじめたら、大いに自信をもちましょう。

まぁ、私の経験上は、そう簡単に「あなたは生意気」なんて言って(思って)もらえませんよ。

 

株式会社アズワン_小林大祐