私の20余年にわたる業界経歴は、このHPの会社紹介にある「代表者経歴」(https://asone.ltd/company/)のとおりです。
自身でいうのは照れますが、私は賃貸住宅について語れるプロであると自負しております(というと本当に照れますが汗)。
その私が、「貸主」「貸主代理」である不動産会社、つまりは“借主の審査をする立場の各社”が、高齢者の入居を妨げる要因、彼らの理屈を挙げるのであれば、主に以下の3つではないかと考えます。
あ、大前提として、ここでいう高齢者とは、“お金の心配はない高齢者”とします。
そもそも経済的な不安=基準がクリアにならなければ、それは別の話ですので。
高齢者が審査に通らない3つの理由、それは、
1.何かあったときに対応してもらう「連帯保証人」「緊急連絡先」が、満足に確保できないからNG。
2.認知症など判断力が低下した場合、どう対処したらよいか不安だからNG。
3.死亡時、特に孤独死などが起きた場合に(賃借権の相続の解消や残置物の処理等に)手間がかかり、次の賃貸に支障があるからNG。
こうした1~3の不安が阻害要因となって、貸主(大家)が貸したがらない、不動産会社が住宅の斡旋をしたがらない。
もっといえば、こういう不安を抱える高齢者を選ばなくとも、普通の?というか若い賃借人が借りてくれるわけです、都心部であればあるほど。
結果として、超少子高齢化が進む現在、新たな社会問題化しつつある高齢者「住宅難民問題」が生まれました。
“お金の心配はない高齢者”であっても、多くの高齢者が賃貸住宅の入居を拒まれる、という事態になっているのです。
このような実態に対応すべく、不動産業界もがんばっています。
例えば当社も加入するハトのマークの全宅連(公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会)では、高齢者の入居に際して、「入居審査」や「賃貸借契約」の際の注意点をまとめたガイドブックを作成。
また室内の異常に早期に気づくための高齢者の見守り機器の設置を勧めたり、孤独死などで発生する原状回復費用や残置物の処理費用、次の入居までの空室等の家賃保証などに対応する保険への加入を促したりといった、不安を払拭する方法を提案しています。
また認知症や健康上の問題については、介護・医療・法的専門家などとの連携が必要なため、福祉事業者等とのネットワークの構築もしていたりします。
高齢者「住宅難民問題」には、こうした不動産業界の努力でカバーできることもあります。
ハッキリ言って、そこそこ頑張ってます。
ただ一方で、不動産業界の頑張りだけでは対応できない課題も、まだまだ残っているのも事実。
次号、さらに具体的に掘ってみますね。
株式会社アズワン_小林