(株)不動産流通研究所が、2022年度上期の「主要不動産流通会社の仲介実績調査」の結果をまとめています。
※不動産流通会社にアンケートを送付、22社が回答。
調査結果によれば、22社中、17社が手数料収入を伸ばしています。
特に、東急リバブル(株)や野村不動産グループ、三井住友トラスト不動産(株)など9社が2ケタ増となったそうです。
三菱地所リアルエステートサービス(株)は法人の大型案件が取扱件数・成約件数ともに増加、手数料収入が前年同期から約6割増。
東急リバブル(株)は、首都圏のリテールで1億円超の取引が増加するなどして、単価・取扱件数ともに上期としては過去最高を記録したとのことです。
トップの三井不動産リアルティグループは、前年同期に大型の法人案件があった影響で、取扱高が減少したものの、リテール仲介の取扱単価の上昇により、手数料収入は前年を上回っています。
3位の住友不動産販売(株)は、店舗数の整理を進めており、中間期末時点では前年同期よりも21店舗少ない249店舗となったため、取引件数と取扱高が減少したものの、単価上昇により手数料収入は前年並みを確保しました。
一方で、取扱件数に目を向けると、22社中16社が減少。7社が2ケタ減となっており、活発だった市場に変調の兆しもうかがわれます。
全般的には、多少改善されたものの、まだ物件不足傾向が続いており、ユーザーの購入意欲は旺盛なものの、買い替え需要には結びついていないようです。
「価格高騰でユーザーの動きが鈍い」(近鉄不動産(株))
「顧客の希望に応じた買い取り対応を積極化したことで、結果的に仲介の実績が減少した」(積水ハウスグループ)
といった声もあがっているそうです。
各社からのコメントでは、
「都心高額帯の取り扱いが好調に推移」(野村不動産グループ)
「単価は全体的に上昇し、手数料収入の増加につながった」(大和ハウス工業グループ)
「単価上昇に加え、都心エリアを中心に事業用不動産の取り扱いが増えた」(小田急不動産(株))
など、都心を中心に取引の活発化、単価上昇の動きが顕著だといいます。
また、多くの会社から、事業者がエンドユーザー価格に近い価格で購入する傾向があり、この影響により再販価格が高騰しているのではないか、といった声もあります。
変わらぬ都心集中、続く新築供給、再犯の需要>供給、円安の特需、そして不可逆的な少子化。
この方程式の答えは?それはいつ?
株式会社アズワン_小林