シービーアールイー(株)が、特別レポート「Japan Live-Work-Shop Report 2022」を発表しました。
世界の2万人以上を対象とした意識調査「CBRE Global Consumer Survey」の結果から分かった、住まいなどに関する消費者ニーズが、不動産市場へどのような影響を及ぼすかについて考察したものです。
有効回答数は2万1,096件(うち日本は1,621件)にのぼり、回答者属性は欧州34.8%、アジア太平洋地域42.8%、米州22.4%というポートフォリオ。
これによると、日本では、回答者の49%が将来の転居先の住宅を賃借する予定だとなっており、その他の地域の30~40%と比較して明らかに高い水準となり、日本における賃貸住宅のニーズが他国と比較して高いことを示唆しています。
同時に「わからない」とした回答者の割合も19%と、他の地域と比較して高く、日本では、将来の収入に対する不安を抱えている人が多いことが、「賃借」や「わからない」とした回答者の割合が高い理由として考えられると分析しています。
昨今のような住宅価格が上昇かつ住宅ローン金利が上昇する局面では、賃貸住宅を選択する消費者が増える、とみているわけです。
若い世代ほど転居意向が強く、「他の都市の中心部」に行きたいと考えていて、進学や就職をきっかけに地方から都市部に転居する人が多いという結果に。
世界全体でも同じ傾向がみられるが、日本の方が若い世代の都心志向がより強い。
もっとも、世界と比べて日本はすべての世代にわたって都心志向が強い、ということが伺えます。
これは就労機会が都市部、特に首都圏に集中していることが理由、として挙げられています。
コロナ禍後の転居理由については、「より広い住居」「屋外スペースの確保」「より良い住環境」「商業・レジャー施設に近い立地」など、生活や生活環境の質向上に関連する理由を挙げる回答者の割合が全体的に大きく上昇。
一方で、「通勤時間の短縮」「家族構成の変化」においてポイントが減っていることが分かった、とも。
自宅で過ごす時間が増えたことで、消費者が住宅選びで重視する要件は大きく変化しているということでしょう。
感心するのは、切り口やサーベイもさることながら、さすがCBREなレポート構成。
紹介したのはLIVE:暮らし、編ですが、Work、Shopに関する章もあり、面白い。話のネタにはなる。
私のつたないサマリーより、リンクを張っておきますので、是非調査資料を生で一読下さい。
株式会社アズワン_小林