会社は一見、命令で動いているように見えます。
上司が指示を出す、部下が従う、会議で決まる、担当者が実行する。
だから組織が動かない時、多くの人はこう考えます。
「もっと強く説得して命令すればいい」「ルールを増やせばいい」「責任者をはっきりさせればいい」。

上から下に命令が流れる。
社長がいて、部長がいて、課長がいて、社員がいる。
もちろんそれは必要です。
でも、それは組織の骨格に過ぎません。
実際に組織を動かしているのは、その骨格の中を流れている「協力」です。
組織とは「属する人の協力が続いている状態」です。
部署がある、役職がある、決裁権限が定められている。
組織の人たちが「協力」していなければ、それはただの配置に過ぎません。
つまり、組織は命令で成立するのではなく、「協力」が続いているから、組織に見えているのです。

例えば、会議はある、議事録もある、タスク管理ツールにも担当者が定められている。
なのになぜか物事が進まない。
こういうこと、会社ではよく起きますよね。
その時、その組織では、組織に属する人々の「協力(する理由)」が失われていることがあります。
会議には出ている、返事もしている、表面上は従っている。
でも心の中ではこう思っている。
「余計なことは言わない」「言われた範囲だけやる」「責任が増えそうなことには近づかない」。
このような協力をしない姿勢の人たちが集まった状態になると、命令は届いていても組織は動いていません。
ここが一番怖いところです。
組織の崩壊は、人々の反抗しから起こるとは限らない、ということ。
ただ「協力」しなくなるのです。
会議は続く、チャットも動く、資料も増える。
でも、誰もが少しずつ、最低限しかやらなくなる。
その時、組織は静かに重くなり、やがて壊れます。
組織の崩壊の瞬間には、必ずしも大きな音はしません。

逆に言えば、強い組織とは、命令が鋭い組織ではありません。
大声で言わなくても、属する人が「ちょっと余分に協力できる」組織、です。
ちょっと困っている人(事)を見つける。
必要な情報は、ちょっと先に渡す。
ちょっとした違和感を共有する。
自分の領分ではない、境界をちょっとだけ越えて助ける。
こうした小さな協力が残っている組織は、動き、成長し続けます。
命令を強くする前に、「協力」が消えていないか?こそを見る。
それが、ちょっとした「協力」を惜しまない人の集団を創り育てる、私の仕事。
、、、だと思ってはいますが、いやはや、なかなかに。苦笑
株式会社アズワン_小林大祐